ろっぺん書房「一行一会」はじめました。

本屋がしたい!と、勢いで「店長」と名乗ってからのその後。 

今ってネットや本で調べれば、いくらでも既存の本屋さんの情報が出てきます。もちろんシェア型本屋さんとか、一万円選書とか、ほうほう、なるほどね〜!と感心するような情報もたくさんあったのですが・・・。

「どうやって」っていう方法を調べれば調べるほど、自分から遠ざかっていく・・・。一時は旦那さんに追い越されたか?っていうくらい、トーンダウンしてしまい「こりゃイカン」と思って仕切り直し。

調べるのをやめました(笑)

そもそもなんで「本屋がしたい」って思ったんだっけ?

娘曰く「ママは1000冊くらい持ってる」っていうんですよ。ホントかな?数えたことがないからわかりません。ここ1、2年で手放した本も数百超えてるので、ありえなくはないかもしれない。

じゃあ、どういう本が残っているのか。

私にインスピレーションや、心に栄養を与えてくれるのは、何かを知りたいとか、できるようになりたいといった具体的な「目的」があって選んだビジネス書のような本よりも、むしろ、通りすがりに「偶然」手にすることになった、絵本、アートブック、写真集、詩集のような作品や、あるいは漫画なんてこともあったりします。

たとえば、文章を書くこと、ライティングについて何とかしたい!と思ったら、多くの場合、ライティングにまつわる本を手に取るでしょう。もちろん1、2冊手にとってみて、その通りにやってみるのはいいと思うのですが、基本を押さえたその先「書き続けていく」うちに、そういう本はほとんどは、自分にとってあまり役に立たなくなってくることに気づくはずです。 

具体的な手順を記した本は、ひとまず1歩、2歩進むのにはいいけれど、「その先」に進む未来への指針をあまり与えてくれません。そこから先は、自分の原動力とつながることであったり、外界から取り入れるにしても、もっと別の「何か」に心を開くことが大切になったりします。

私自身、そういう本たちと「出会う」ことができたのは、本屋さんの存在がとても大きいのです。もちろん私自身、Amazonの恩恵もたくさん受け取っている張本人ではあるのですが、それでも、AIにおすすめされる本よりも本屋さんで偶然手にした本が長きにわたって人生のお供になってくれている。

ふとしたときに開くのはそういう本たちであり、今回も「ここからやってみよう!」と思える”きっかけ”を与えてくれたのは、どこかの誰かの本屋についての情報ではなく、久しぶりに開いた『モモ』に出てきたとある言葉でした。

どこにもない家、どこにもない本屋

 「どこにもない家」

モモがマイスター・ホラと出会う場所。
ふと気になって「どこにもない家」ってドイツ語版では何と書いてあるの?とChat GPTに聞いてみました。

そしたらNIEMALS-GASSE(決して存在しない通り)だというではありませんか。

え?ほんとに? と、思わずドイツ語版のMOMOをポチってしまいましたが、「通り過ぎていく時間」の大切さを伝えている『モモ』ならありえるかもしれないと思ったのです。

GPTの”誤った回答”が導いたろっぺん書房「一行一会」

結論からいうと、ChatGPTの“誤った回答”が私にひらめきを与えてくれて、2025年3月7日、ろっぺん書房の「一行一会」という配信をスタートさせました。

一行一会
一日一冊一行で心の眼を開く「感じる読書」のすゝめ

日々是好日の如く、一日一冊一行、店長の直感で紹介していくというものです。ひょっとしたら副店長たちの「一行一会」も登場するかもしれません。

アートの世界の抽象画のように、ことばの世界にも抽象世界がある

懇切丁寧に「本の要約」を配信してくれるYouTubeも人気ですが、私は自分を含めて「誰かの解釈」に閉じ込めたくはありません。自分の感性、感覚、心の目を信じてほしい。

だから一行一会は、なんの解説もつけず、ただ一日一冊一行だけを淡々と紹介していくことにしました。1投稿数十秒の世界。20秒に満たない動画も。

それでもハッとする言葉や気になる本があったら、ぜひお手にとってみてください。その直感が、あなたを新しい世界にいざなってくれるかもしれません。

こんな情報が何になるの?

そう思う方もあるかもしれません。でも、絵画の世界に抽象画の世界があるように、言葉の世界にも抽象画のように、まあるく、やさしくつながっている世界があります。

そういう世界に心を開くと、どんなジャンルの本からも、チャットGPTの回答がたとえ間違っていても!インスピレーションやヒントを受け取れるし、ちゃんと前に進むこともできるのです。

念のため、気になる方もいらっしゃると思うのでお伝えしておくと、後日ドイツ語版のMOMOが届いて確かめたら、「どこにもない家」の箇所は、ちゃんとDAS NIRGEND-HAUS(どこにもない家)と書かれていました(笑)。つまりチャットGPTの回答は間違っていたということです。

でも、私が「一行一会」をスタートさせられたのは「決して存在しない通り(NIEMALS-GASSE)」というチャットGPTの“誤った情報”があったからです。

どこにもない本屋、通り過ぎていく本屋、通りすがりに出会った何かで人生が変わることもある。そこから「一行一会」が降りてきました。広く大きくやわらかな世界に身を委ねれば、目先の小さな正解、不正解に囚われずに済みます。

いつだって偶然は、決して偶然ではないと思いませんか?
その自分の直感や感覚をどのくらい信じてあげられるか、その直感をどれだけ磨き上げられるかで、人生の充実度は変わってくるんじゃないかと思います。

「正解探し」に疲れていませんか?

私も本屋について調べていたとき、一瞬この状態に陥りました。

どこかの誰かはこの方法でうまくいったかもしれないけれど、これからの自分には当てはまらないんじゃないか。イエスかノーかだけに囚われる世界は、小さくて狭くてとっても苦しい。

人が変われば、ところ変われば、ほんのちょっとタイミングが変わったら、その正解は変わってしまうのが、小さな世界の常です。

でもほんの少し視点を上げてみれば、見たことのなかった世界に、あなたのために用意されたヒントが山ほどあるはずです。そういった何かに心をひらけば、チャットGPTや誰かの言っていることが正解だとか、間違っているとかは、ほとんど気にならなくなります。どちらにしろ、前に進んでいく手がかりを掴むことはできるからです。

見える景色を一瞬で変えられる方法

そういえば、少し前にインタビューを受けたときに、詩を書いていた頃のことを聞かれました。やっぱりちょっとレアな経験だからでしょうか(笑)。

当時はまだ会社員していたけれど、詩人と名乗ってみたら、いつもの景色がまるで違う景色に見えて、別世界の住人になったような気がしました。仕事中はバリバリ西欧式でプレゼンしていても、詩人のスイッチを入れたら、まったく違う感覚が開いて、別世界のことばで語りかける。そんな感覚でしょうか。

同じひとりの「私(わたし)」であっても、詩人と名乗った瞬間から、別の感覚、感性をひらいて、同じ景色から別世界を見たり感じたりすることができる、いかようの自分も生きられるということです。

一時期、詩を書くことに没頭していた頃は、松下育男さんが横浜で開催しておられた詩の勉強会にも参加させていただいていました。コロナで勉強会が開かれなくなり、やがて私自身も詩を書くことから遠ざかってしまいましたが、当時のご縁でその存在を知った素敵な詩や詩人の方もいらっしゃいます。なかなかメルマガやブログでは紹介できずにいましたが、「一行一会」なら、これまで誰かの目に触れることのできなかった詩はもちろん、私の大好きな絵本、写真集、マンガなども登場させられそうです。

心の眼をひらいて自由になれる。
そんな「一行一会」をお届けできたらいいなと思っています。

3月7日に生まれたてほやほやの一行一会です。一行ずつコンテンツを増やして参りますので、気の向いた時に下のバナーからご覧いただけたら嬉しいです。

それでは、また。

TOMOKO

一行一会
一日一冊一行で心の眼を開く「感じる読書」のすゝめ

書いた人

ろっぺん書房 店長・自分メディアプロデューサー

「経営者のための自分メディア」をプロデュースしています。
忙しい経営者のみなさまは、リラックスしてお話しいただくだけで大丈夫。
「あなたに出会えてよかった」そんなメディアづくりや執筆は私どもにお任せください。

副店長は小学生の娘と、スナップエンドウを愛する豆柴
3人1匹家族で仲良く神奈川県で暮らしてます。