さて、わらしべ de 読書感想文シリーズ。
3冊目のお題はなんと、辞書です。
この本は、かつて東京芸術大学で体操を教えていた野口三千三先生の著書や体操を実践する場で知りました。出会って以来10年ほどのお付き合いになります。常にデスクに置いてる愛読書です。
今回はその「辞書」を使って、読書感想文を書けるのか?
挑戦してみました^^
わらしべ読書感想文 03『白川静 常用字解』
しあわせなことばをつくる人となる ろっぺん
いつも私の机に置いてある大好きな辞書。それが白川さんの字解です。
辞書でわらしべをするとどうなるのだろう?
という純粋な好奇心がきっかけだったのですが、この字解の新たな魅力と、
私にとってのコンパスとしての価値を再発見できたことが、
今回の読書感想文の一番の収穫だったと思います。
今までのライティングの伴走とはちょっとちがう何かを提供したい。
書き手も読み手も今までの自分から抜け出して新しい自分を発見したり、
祝詞やことだまのようにエネルギーが乗った文章で読み手に響く文章が書ける、
この感想文を通じて何かその原型がつかめたらと思い、今回この本を選びました。
白川さんがこの常用字解を出した理由は、ことばの精気が失われてしまうことを
懸念していたからだと思います。でも、まずは漢字に親しんでもらうこと、
ひとりひとりが漢字から何かを感じ取り、受け継ぎたいと思える何かを見出すこともまた、
同時に願っていただろうと思うのです。
甲骨文字、金文文字など、その漢字の「もとのすがた」を知ることで、その漢字やことばに宿る
まじないの力を知ることができる、表現することができる。
それは、人をめぐる、世の中をめぐる、しあわせを願うおまじないの力になる。
漢字に宿るエネルギーをそのまま感じることからはじめて欲しい。
そう願っていたのではないかと思います。
うたを奏でるように文章、ことばを紡ぐことができれば、そこにはこころ、精神が宿ります。
ことばを交わすことは、魂、こころを通わせる営みです。ひとつひとつの漢字に宿る魂を紐解き、
正しく伝えることに挑戦した白川さんと私の共通点は、その人自身と、そのことばに宿る魂や
エネルギーが、正しく伝わることを願う気持ち、こころではないかと思います。
一方で、もし同じような何かのきっかけを目前にしたとしても、私にはここまで漢字に没頭したり、
字解を束ねることはできなかったでしょう。
私にとってそれはどこか、土の中に埋められる、文字の中に閉じ込められるような苦しさを
感じてしまうからです。
漢字の中にはいけにえを捧げて神に祈る、そのような意味、字形を含む漢字もとても多いです。
けれども、そのような儀式を伴った漢字を敬うことは、いのちに対する畏敬の念や、
神意に謀ることとも通じているはずです。
私は白川さんのように漢字の世界を極め、追求することはできませんが、土の中の宝物を
掘り起こして人に伝えること、まだ自分でも気づいていない、ひとりひとりの人のこころにしまわれた
大切な宝もの、輝きを掘り起こして光を照らすことが、むしろ私の役目ではないかと思っています。
それは、どこか、こどもの頃のとても楽しい記憶とも通じているからです。
この読書感想文を書くにあたって意図したことはライティング講座の新しい形、
自分ならではの形を問いかけることでした。書き手も、読み手も、世間の常識やこうあるべきという
「かげろう」にとらわれるのではなく、その人の清らかな本来の姿を、文章を通じて掘り起こすのが、
私の役目ではないかということに気づかせてもらいました。
今までとは全く異なる字解の読み方をしているのに、私にとってこの本の読書感想文を書くことは、
今の自分に必要な指針を得ることができるという新しい発見がありました。この装丁の布の質感
「あり・さま」を手にするだけで心が穏やかになる自分も発見しました。
娘もこの本が大好きで、たまにぱらぱらとめくっては、思い思いの文字を書いたりして楽しんでいます。
娘との思い出もこれからたくさんつまっていくことも、楽しみのひとつです。
小学生の頃、母がものすごく分厚い漢字辞典を買ってくれました。
学校指定のものではなくて、母親がどこかで見つけてきたものでした。
私がその辞書が好きだったのは、四葉のクローバーの押し葉づくりに
ぴったりな重さがあったことと(笑)そして、この白川さんの字解のように
甲骨文字などの字の成り立ち、起源を伝えてくれていたからです。
私はときどきそれをぼんやりと眺めるのが好きでした。
のちにその辞書を手にした妹たちは、辞書を開くたびに枯れたクローバーが
バラバラと落ちてきて、「使いづらいわ!」と怒りをあらわにしていましたが(笑)
甲骨文字のような古代文字に魅了されてうっとりしたり、自分の役目のひとつと
感じることの中に、言葉や文字が関わっていることが、白川さんと私との共通点かも
しれません。
膨大な数の古典文字と向き合い、紐解いていくその作業を想像すると、あまりにも困難で
くじけそうになったり、何度も何度も自分を奮い立たせなければならない場面も
数多くあったはずです。それでも、心の底から文字を愛し、深くいつくしむ心をもち、
そしてひとりでも多くの後世に、文字のひとつひとつに宿っている大切な「こころ」を
行き渡らせたかった。その願いや祈りがこの本に込められているからこそ、この本は
手に取った人に「おまじない」のように魔法がかかるのかもしれません。
世の中で永く愛される、必要とされるものをたくさん世の中に送り出していること、
それが、私が白川さんを尊敬し、この辞書をはじめとする彼の本が大好きな理由の
ひとつです。私もこの本のつかい手のひとりとして、これから自分や周りの人たちの
大切な願いを叶えていこうという時に、たくさんの困難に直面することがあると思います。
でも、決してあきらめずに、白川さんのように生涯をかけて、世の中の人たちのために
尽力することができたら、きっとこの世から旅立つ時も、心の底からしあわせな人生だったと
言えると思います。
結論。きっとまた書くに違いない。

辞書でも読書感想文が書けるぅ〜〜〜♡
さて、いかがでしたでしょうか。
子供時代とちがって、大人が読書感想文を人に読ませるなんてことは、ほとんどないと思います。
もちろん、この読書感想文も、私自身のために書いたものですから、もともと公開するつもりなんて
さらさらありませんでした(笑)恥ずかしいものもたくさんあります。
それでも、トレーナーになると決めて、10冊書くことで何が起こるのか。
何を感じ、どんな変化が起こったのかについては、この感想文を読んでいただくのが一番ではないか、
と思って公開しました。あえて何も編集せずに、1文字も直さずにそのまま公開しています。
もちろん、どんな変化が起こるのかはひとりひとり違います。
この読書感想文のすごさは、
どんな本で取り組んでも、自分が問いかけたことに対する答えを必ずくれて、
その答えを自分で言葉にすることで、腑に落とすことができるということです。
誰かが言った言葉ではなく、自分の言葉。
それがもっともパワーを持っています。
どんな自分を生きていたいのか。
今、お仕事や人生の転機にある方も、読書感想文に取り組みながら、問いかければ
本は、必ず答えを返してくれます。
でもその答えは、本が返しているというよりも、
本を介してあなた自身の本音、想いにアクセスしていて、本当は、あなた自身もすでに
心のどこかで気づいていた言葉であるはずです。
問いに対する答えを、言葉にする手がかりを本から得られる。
それがこのわらしべ de 読書感想文のすごいところです。
一体、どんな読書感想文なのか。気になる方は、ぜひこちらにもアクセスしてみてください。
2022年7月22日はトレーナー試験です(なんと試験が一般公開されます(笑))
こどもも大人も、自分の言葉で表現することのパワーを感じて欲しい!
自分の夢と再開し、現実にする力とつながることができますよ^^
ろっぺん